裁判員制度導入の理由
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■ 無罪の推定
刑事裁判においては、「無罪の推定 」が重要な原則とされています。 おなじく、刑事裁判において、被告人が犯罪を行ったことに対し、検察官が「合理的な疑問を残さない程度の証明 」をしない限り、有罪とすることができません。無罪が推定される被告人は、自らの無実を証明する必要はないのです。 刑事裁判では、有罪を立証する検察や警察がその組織力で強制的に証拠を収集できるのに対し、一般国民が自らの無実を証明する証拠を集めることは、非常に困難です。被告人と検察や警察との間のには圧倒的な力の差が存在します。その力の差を無視して、被告人が自らの無実を証明できないからといって、有罪としてしまったら、多くの無実の国民が有罪判決を受けてしまう理不尽がおきてしまします。 そして、無実の国民に対する有罪判決は、国民の自由や権利を不当に奪い、その人生を狂わせ、家族をも巻き込んだ筆舌に尽くしがたい理不尽な被害をもたらします。こうした悲惨な事態にならぬよう、被告人はまずは無罪と推定され、検察官が「合理的な疑問を残さない証明」をしない限り、有罪にはならないわけです。 「合理的な疑問」とは、一般市民たる国民の良識に基づく疑問です。法廷で証拠を実際に見たり聴いたりする。そして国民の良識に照らし、少しでも疑問が残るときは、有罪とすることはできない。人に刑罰を科す前に、国民が良識に照らして疑問の余地がないかどうか確認する。そのような仕組みが、無実の国民が罰せられるという理不尽への抑止力となる。裁判員制度はそういった考え方から導入にいたっているわけです。
<用語の解説>
- 【無罪の推定】
- 刑事裁判においては有罪が確定するまでは「罪を犯していない人」として扱うとする「疑わしきは罰せず」という原則。 日本国憲法31条に明文化されており、国際的にも「世界人権宣言」第11条1項、「国民的及び政治的権利に関する国際規約(国際人権B規約)」第14条2項にも認められている刑事裁判の大原則。
- 【合理的な疑問を残さない程度の証明】
- 刑事裁判で、被告人を有罪にするためには、良識に照らして疑問をはさむ余地はないと確信できる程度の証明(=合理的な疑問の余地を残さない程度の証明)が必要とされる。